本:身体はトラウマを記録する 書評:伊藤亜紗 読売新聞

本:身体はトラウマを記録する、ベッセル・ヴァン・デア・コーク/訳:柴田裕之、紀伊国屋書店、2016(\3800+税)
The body keeps the score

読売新聞、2017/01/15(Sun)朝刊:文化 8面、評:伊藤亜紗(美学者 東京工業大准教授)・「身体の主導権を喪失」

引用:



 危機的な状況を察知すると、脳は、ストレスホルモン系と自律神経系を動員して、それを回避するための行動を体にとらせようとする。ところが、閉所に閉じ込められていたり、危機の原因が家族にあって逃げ場がなかったりすると、体はそうした行動を取ることができない。
結果、体内ではずっと警報が鳴り続けることになる。これがトラウマの状態だ。つまり、トラウマの原因は危機的な状況そのものにではなく、

身体を思うように守れなかった経験、自分の身体の主導権を奪われる経験にこそあるのだ。

 実際、トラウマを負った人は、自分の体が感じているはずのことを正確に感じることができないという。たとえば、患者に目を閉じてもらい、手のひらに硬化や鍵を握らせる。すると、手の中にあるものが何であるか、想像すらできない人が多い。体が常にサバイバルモードで緊張しているために、感覚から受け取った情報を一つにまとめあげたり、自分の内部で起こる感情の変化を自覚することができないのである。





(kurage0147130):
「僕は、カウンセリングでEMDRをしてもらっていますが、体の感覚を逐一聞かれ、自分で確認することになる。眼を左右に動かす治療は、動けなくなっているトラウマを眼の動きで動けるようにし、体と心を再配置するのかなとも、この書評を読んで思いました。フリーズ解除なのかなと理解しました。読んでみたい本です。」

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